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宅建業法とは?改正点のポイントや免許申請手続き5ステップを解説

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「宅建業法にどんなルールがあるか知りたい」
「最新の法改正はどんな内容なのか知りたい」
「宅建免許の申請手続きを知っておきたい」

宅建業法は、不動産取引における重要な法律です。そのため、基礎知識や改正点、免許申請手続きなど、宅建業に関わる多くのポイントを理解しておく必要があります。

そこでこの記事では、宅建業法改正のポイントや免許申請手続きのステップを、わかりやすく解説します。この記事を読めば、これから宅建資格を取得して不動産取引に携わる予定の人にとって役立つ情報となります。ぜひ参考にしてみてください。

宅建業法の基本知識

ここでは、宅建業法の基本知識として以下の3つを解説します。

●宅建業法の意味
●宅建業法の目的と特徴
●宅建業法に必要な免許

まずは、宅建業法の「基礎」を知っておきましょう。

宅建業法とは?

宅建業法は、いわゆる「不動産業」を規制する法律といわれており、不動産取引に関わる一般消費者を保護することを目的としています。具体的には、不動産の売買や賃貸借契約、仲介業務などに関するルールや規定が含まれており、一般消費者を悪徳な不動産業者から保護することが可能です。

宅建業法がなければ、消費者は不利な立場に立たされる恐れがあります。したがって宅建業法は、不動産取引に欠かせない法律です。

宅建業法の目的と特徴

宅建業法の目的は、不動産取引における「消費者の保護」と「公正な取引環境の確保」です。この目的を達成するために、宅建業法には以下のような特徴があります。

●厳格な免許制度
●消費者に対する告知義務
●一定の禁止事項や罰則の規定

宅建業法は、不動産業者に対する厳格な免許制度を導入しています。免許を受けるためには「事務所の確保」「宅建士資格の登録」「会社の設立登記」など、さまざまな課題をクリアすることが必要です。

また宅建業法では、消費者に対する告知義務を定めています。そのため不動産業者は、取引する不動産の契約条件やリスクなどの重要な情報を、消費者に提供しなければいけません。これらにより、消費者は十分な情報を得て、不動産取引に対する重要な意思を決定します。

さらに宅建業法では、不動産業者の業務に関する一定の禁止事項や罰則を規定しています。そのため、強引な営業や不正な取引行為などが行われた場合、厳しい罰則が科されるのが一般的です。

つまり宅建業法は、不動産業界における「適切な取引の確立」と「消費者の保護」を目的とした法律といえます。

宅建業を営むには「免許」が必要

宅建業を営むためには、宅地建物取引業の免許が必要です。免許を取得することで、不動産仲介業や不動産管理業などの業務を正式に行えます。

なお、免許を取得した後も、不動産協会や宅建協会による定期的な研修や勉強会、免許の更新手続き時に行われる適性検査などが義務付けられています。

免許を取得すれば「不動産のプロ」として消費者に信頼されるため、不動産取引の安定を保つことが可能です。

宅建免許には2種類ある

宅建免許には、以下の2種類があります。

●国土交通大臣免許
●知事免許

ここでは、2種類の免許について解説します。

国土交通大臣免許

国土交通大臣免許は、複数の都道府県で不動産業務を行う場合に必要です。たとえば、東京都を本店として神奈川県と千葉県に支店を設置する場合は、国土交通大臣免許の申請が必要となります。

また、会社の規模が拡大して他の都道府県に支店を設置する場合は「免許の切替申請」が必要です。宅建業で独立して規模を拡大していく予定の人は、知っておきましょう。

知事免許

知事免許は、特定の地域(都道府県)でのみ不動産業務を行う場合に必要です。たとえば、東京都に本店をおいて業務を行う場合は「東京都知事免許」を取得します。

また、東京都内に本店と支店を置く場合は、同じ都道府県に事務所を設置することになるため、東京都知事免許の取得が必要です。

知事免許も国土交通大臣免許同様、厳しい審査を経て取得する必要があります。

宅建業法改正の背景と目的

家を案内している宅建士

ここでは、宅建業法の改正にまつわる背景や目的について解説します。

背景

宅建業法改正の背景には、社会や経済の変化に対応するための必要性があります。時代ごとに不動産取引の市場環境や顧客ニーズが変化するため、それに伴い法律も「改正」や「見直し」をして柔軟に対応することが必要です。また、近年のデジタル化や科学技術などの進歩により、不動産業界にも影響があります。

たとえば、リモートによる不動産取引の締結や電子契約書の活用などです。これらの変化に適応し、時代に合わせた法律改正の必要性が求められています。

目的

宅建業法改正の目的は、主に以下の点が挙げられます。

●制度の効率化と合理化
●消費者保護の強化
●テクノロジーの活用
●不正行為の防止

宅建業法を改正することで、宅建業者の業務遂行がより効率的に行われるようになります。煩雑な事務手続きや不必要な規制(契約書への押印など)を緩和して、制度全体の合理化を図るのが目的です。

また、消費者がより安心して不動産取引ができるように、契約条件の明確化や情報の提供義務の強化などの「消費者保護」を強化しています。

さらに、デジタル化が進む現代社会において、電子契約や電子書類の取り扱いを可能にすることで「取引の効率化」や「手続きの簡素化」が期待できるでしょう。

そして、不動産取引における不正行為や詐欺などを防止するため、適切な監督体制や罰則の整備をして、安心して取引が行えるような環境整備が目指されています。

宅建業法の改正は、不動産取引に関わる人々に大きな影響を与える重要な「政策変更」です。取り扱う金額の大きさやトラブルになりやすい業種という点からも、宅建業法の改正には重要な役割があります。

宅建業法の主な2つの改正点

宅建業法の改正には様々な要素が含まれていますが、特に注目すべき主な点は次の2つです。

●押印の廃止
●電磁的方法による書面交付の導入

2022年5月18日に施行された、2つの改正点を見てみましょう。

押印の廃止

改正前の宅建業法では、契約書や重要事項説明書などの書類に宅建士の押印が必要でした。しかし、宅建業法改正により、以下の書類についての押印義務が廃止されています。

重要事項説明書
売買・交換・賃貸借契約の交付書類(契約書)

これは、デジタル化の進展により、電子契約や電子書類が一般的になったためです。宅建士押印の廃止により、不動産取引の手続きがより迅速かつ効率的に行われるようになりました。

ただし、媒介契約や代理契約時に交付される書面には押印が必要になるため知っておきましょう。

電磁的方法による書面交付の導入

宅建業法改正により、電磁的な方法による交付が可能となりました。可能となったのは、以下の4つの書面交付です。

●重要事項説明書
●売買(交換・賃貸)契約書
●媒介契約書
●レインズ登録時の交付書面

今までのように紙ベースではなく、契約書や重要事項説明書類などの交付が「電子データ」で行われるようになり、不動産取引のデジタル化が一層進むことになりました。電磁的方法による書面交付の導入により、取引のスピードアップや手続きの簡素化が期待されています。

宅建免許申請手続きの流れ5ステップ

宅建免許申請手続きの流れ5ステップを説明している女性

ここでは、宅建の免許を申請する流れを5つのステップごとに解説します。宅建業法を理解するうえでも、免許の申請から許可が下りるまでの流れを把握することは重要です。一つひとつの流れをしっかり押さえておきましょう。

ステップ1. 申請書類作成・準備

まずは、宅建免許の申請書類を作成します。申請に必要な書類を整理し、正確に記入するようにしましょう。申請書類は、各地域の都道府県や宅建協会などで受け取れます。書き方や、必要書類などは地域によって異なる可能性があるため、Webサイトや窓口で確認してみてください。

参考資料:東京都住宅政策本部

ステップ2. 申請書類の提出

申請書類の作成と必要書類を準備したら、各都道府県に提出します。

なお、申請内容の変更がある場合「申請の取り下げ」が必要です。その場合、再度、申請書類の作成が必要となるため注意しましょう。

ステップ3. 都道府県や国による審査

提出された申請書や提出書類に不備がなければ、事務所調査や欠格事由(重大な犯罪歴の有無など)の調査が行われます。申請者の資格などを審査します。審査には約4〜6週間かかることがあるため、辛抱強く待つことが必要です。

ステップ4. 宅建業保証協会への加入

審査が通過したら、宅建業保証協会に加入(営業保証金の供託でも可)する必要があります。ちなみに、保証協会への加入と営業保証金の供託では、支払う金額が異なります。

保証協会への入会・・・主たる事務所60万円
営業保証金の供託・・・主たる事務所1,000万円

金額の差が大きいことから、営業保証金の供託よりも保証協会に加入する人が多いです。

公益社団法人|全国宅地建物取引業保証協会

ステップ5. 宅建業免許証の交付・営業開始

審査が完了すれば、宅建業免許証が交付されます。事務所あてに送付されるため、大切に保管しましょう。業務を開始する前に、不動産に関する契約書の作成方法や法律の遵守事項などを再確認するようにしましょう。

宅建業法に関するよくあるQ&A

宅建士のイメージ

ここでは、宅建業法に関するよくある質問を2つ紹介します。解答と合わせて、確認してみましょう。

Q1. 宅建業法の禁止事項は何ですか?

宅建業法には、不動産取引における業務の適正化を図るため、業者に対して様々な規制や禁止事項が定められています。その中でも特に重要な禁止事項として挙げられるのは、以下の点です。

●不正行為
●法令や契約に反する行為
●不当な圧力をかける行為

宅建業法に違反する行為として、虚偽の情報を提供することや、取引相手を欺くような不正な行為が禁止されています。また不動産取引において、法令や契約の内容に反する行為をしてはいけません。

さらに、利益を追求するあまり、取引相手に対して不当な圧力をかけたり、不当な条件を課したりすることも禁止されています。

Q2. 宅建業法に違反した場合の罰則はありますか?

宅建業法に違反した場合、様々な罰則が課せられる可能性があります。主な罰則としては、次のようなものがあります。

●行政処分
●刑事罰
●損害賠償請求

不動産業者が宅建業法に違反した場合、行政処分や刑事罰が科される恐れがあります。主な行政処分としては「業務停止命令」や「業務の取り消し」などです。また、刑事罰としては「懲役」や「罰金」が科されることがあります。

さらに、消費者が被害を受けた場合、損害賠償の請求を求められます。不当な取引や契約の違反によって消費者に損害が生じた場合には責任を負うことになるため、慎重な取引をするようにしましょう。

まとめ

宅建の勉強をしているところ

宅建業法は、不動産取引における重要な法律であり、消費者保護や取引の公正性を確保する役割があります。さらに宅建業法の改正は、デジタル化や消費者保護の強化、効率化などが含まれており、近年の不動産業界における取引のあり方や環境を大きく変えていくでしょう。

しかし、宅建業法に違反した場合には厳しい罰則が科されるため、不動産業者には慎重な取引が求められます。この記事で解説した宅建業法についてしっかりと理解して、不動産業界で大きな活躍ができるように努力しましょう。

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